東京#62 小石川植物園
昨日の記載で会津八一氏の歌から「つきかげ」へつなぎ、そして古今和歌集にある凡河内躬恒の歌につないだのは、まぁ私が好きなだけなのでご愛嬌です。決して会津八一氏の万葉調がどうだとか思っているわけではなく、ただただいい歌だねえ、と思っている次第で、、、。
さて、そんな氏が東京専門学校(現・早稲田大学)に学んだころ悲しい恋愛をしています。その相手は南画家渡辺豊洲の一人娘で、のちに鏑木清方に描かれる渡辺文子さんでした。大学卒業後、新潟への赴任が決まったときに氏は早稲田から雑司ヶ谷、目白そして小石川植物園まで語らって歩いたそうです。(なんだかぐるっと回っていますね、ともかく歩いて語らった、といいましょうか。)その後も新潟への出発の時も見送りに来ていたそうですが、結局一人娘であったことや新潟であることが背景だったのか結婚の希望は渡辺家には受け入れられず悲恋に終わり、八一氏は生涯を独身で終わっています。
我妹子をしぬぶゆうべは入日さし
紅葉は燃えぬわが窓のもと
と当時、歌っています。
ま、八一氏がデートコースにも選んだというその小石川の植物園、週末に娘と二人で行ってきました。息子と妻はサッカーの試合があったので横浜へいっておりました。小石川の植物園は、現在、東京大学の附属植物園ですが、元は貞享元年(1684)に徳川幕府が設けた小石川御薬園で、明治10年(1877)東京大学が設立された直後に附属植物園となり一般にも公開されてきました。
ここの植物園には桜がたくさん植えてあり、品種も多くあるので見ごたえがあります。我が家では日本に帰ってきてからは毎年ここで桜を見ることにしています。写真はソメイヨシノ。
茗荷谷の駅から植物園に至る環状3号線・播磨坂のソメイヨシノも見事ですが、やはりこの植物園内に入ったとき坂になるのですがそこに見る桜から、登り切ったところでぱっと視野が広がる園内いっぱいに咲く桜は見事!としか言いようがありません。で早咲き遅咲き品種があるので少し長く楽しむことができます。有料だしお酒持ち込み禁止なので、園内は花見客も穏やかでとても広々として気持ちがいいですね。大好きな園です。