山口#10 長門鋳銭所跡@覚苑寺
こんばんは。山口シリーズ、長くなってきましたね。山口県は見どころ一杯ですね。ほんと。
忌宮神社から少し山側に登ったところに黄檗宗・覚苑寺がありますが、その境内に和同開珎鋳造に関わる銭笵(せんぱん)・鞴羽口(ふいごはぐち)・坩堝などの鋳銭遺物が大量に発見されています。銭笵というのは素焼きの鋳型のことで、鞴羽口というのは炉の送風吹込み口のことです。
昭和4年に長門鋳銭所跡は国の埋蔵文化財指定をされています。和同開珎が鋳造された場所は他に近江・河内・武蔵などが知られていますが、長門のこの場所は、遺構が確実に埋存する遺跡として国指定史跡となっています。長門鋳銭所は、天長2年(825年)頃に廃止され周防鋳銭司に移されていますので、和銅元年(708年)から和同開珎が鋳造されていることを考えると100年余りの間、ここで貨幣が作られていたことになります。
和銅は「にきあかがね」と呼ばれ「にき・にぎ」は和や熟の字にあたり純度の高い自然銅のことだったんですね。秩父(埼玉)で和銅が見つかり献上されたこと、和同開珎が鋳造された時期(つまり貨幣を国産化しようとした事)そして平城遷都が重なるこの時期に日本は大きな転換期を迎えようとしていたのでしょうね。その一翼をになったのがこの長門の鋳銭所だったと思うと、ここでそういうことがあったんだ!と思いますね。今日の山口シリーズはちょっとマイナーでしたかね?
しかし、このお寺・覚苑寺は黄檗宗のお寺なのですがなんだかそんな感じはしませんでした。私の捉え方の問題でしょうけど。
さて明日はどんな一日になりますやら。
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