兵庫#10 島崎藤村「山陰土産」の碑@城崎温泉
こんにちは。昨日の知人のPCR再検査は陰性であったため、昨日の夕方に私も自宅待機を解かれました。一日在宅勤務をしましたがなんだか気分が落ち着かなかったですね。今は大阪も台風の雨が過ぎて雲間から太陽が出始めています。暑くなるかな、これから。
今日のentryは城崎温泉の続きです。城崎といえば志賀直哉の「城の崎にて」(1917年)ですよねえ。城崎文芸館の前に碑があります。作品名に出ていますから、まぁまずこちらを挙げるところではあるのですが、私は島崎藤村の「山陰土産」の碑を上げたいと思います。
島崎藤村が次男を伴ってこの地を訪れたのは昭和2年(1927年)7月のこと。大阪から汽車に揺られて7時間かけてやってきています。だからやはりこの文学碑がある場所が城崎駅の駅前にあるというのがいい。
作中に「工事小屋から立ち上る煙もその間に見えて、さかんな復興の気象が周囲に満ちあふれていた。」とあります。これは大正14年(1925年)5月23日の北但馬地震(Mj6.8)最大震度6。火災発生、死者428人及び、昭和2年(1927年)3月7日の北丹後地震(Mj7.3)京都府宮津市と兵庫県豊岡市で最大震度6。震源付近で震度7相当。死者2,925人、の立て続けに起こった震災からの復興のことでしょう。
これで一変した温泉の街の様子が描かれています。宿の若主人の言。「みんな一生懸命になりましたからね。この節はすこしだれてきましたが、一頃の町の人達の意気込みというものは、それはすさまじいものでしたよ。これまでに家のそろったのも、そのおかげなんですね。」と。
日本ではいろんな地域で多くの地震を克服してきていますが、この作品にもそれが描かれていてそのころの空気がよくわかり、静かに胸に迫るものがあります。この作品は青空文庫にも納められていますから、もし城崎を訪れることがありましたら、この作品とともに当時の城崎の様子を思い浮かべながら訪れること、おすすめです。
この作品では、この後カニ(!かにやきではないよ)で有名な「香住」を通り(私的には日本酒「香住鶴」かな)、岩井温泉、鳥取を越えて島根の方に旅を進めています。
兵庫;「かに」の形のお饅頭@香住,兵庫
http://euyudo.blog29.fc2.com/blog-entry-332.html
鳥取#34 岩井温泉はFree!推し
http://euyudo.blog29.fc2.com/blog-entry-1736.html